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- 2023年12月号掲載 -日経REVIVE

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2024.05.17

PATEK PHILIPPE  ワールドタイム

ワールドタイムは以前からPATEK PHILIPPEの他社には存在しない象徴的な機構であると考えておりました。また、フィロソフィーとして超絶複雑で革新的な機械構造でも操作性や視認性において、明瞭で解りやすくなくてはならないというのに最も忠実に則った機構が“カップリング機構”でございまして、老若男女の人種や年代、性別問わずに誰でも理解して操作が出来て、且つボタン一つでセッティングを行なえてしまうという完璧な構造に感銘を受けております。

このカップリング機構の優秀な点は、操作時も計時精度に影響を及ぼさず、且つコンプリケーションモデルの中では群を抜いて、不具合リスクが低いのです。

どうしても機械構造の特性上、複雑化すれば構成パーツが増えて、不具合リスクは自然と高まるものでして、特にカレンダー機構では複数の全カレンダーディスクを同時にアジャストする際に掛かる負荷は高トルクにより、不具合リスクとしては高いです。

クロノグラフもスプリットセコンクロノグラフや緻密な積算機構、高速回転計測仕様等が

搭載される事により、スタート、ストップ、リセットにおけるメーカー制御技術によっては、

不具合が起こりやすい個体もございます。

カップリング機構の革新的な動力伝達システムによりワールドタイムの複雑構造を極めて単純明快なモデルへと昇華させました。

8時位置の切り替えボタンにより、インナー外周リングの都市表示(タイムゾーン)、内周リングの24時間表示、そして時針の3箇所全てを同期させてアジャスト致します。

しかもボタンの押し加減の強弱やスピードに関わらず、全く影響を及ぼしません。

試しにオモチャ感覚で激しめにボタンを押し続けても何ら影響が出ませんでしたので、

非常に信頼出来ます。

PATEK PHILIPPEが特許を取ったこの独自技術の極めて高い安全設計は、

他社が模倣しようの無い域にございますので、

同社の完璧な象徴モデルの一つとして、普遍的で有り、不変で有り続けるのではないでしょうか。

PATEK PHILIPPEのワールドタイムの変遷をご紹介させていただくと

初代機は、腕時計の創出された1933年のRef.605HU、Ref.96HUでございます。

1932年にスターン家が同社の経営権を取得して、カラトラバRef.96をリリースしておりますが、同時進行でワールドタイムの製作を行なっていた事になりますが、

それを伝説的な巨匠ルイ・コティエ氏により発明された傑作でございます。

約1世紀近く不変のコティエ式のデザインレイアウトでございますが、

外周リングで都市表示、内周リングで24時間表示をレイアウトする仕様で、

24時間表示の朝7時~夕方18時と夜19時~早朝6時のそれぞれを色で識別して、

12時正午は太陽マーク、24時は月マークと全て数字で統一せずにポイントで絵柄を入れてデザインとしての調和を取るところは遊びも有り、洒落ております。

Ref.605HUは現在も伝統として継承されているクロワゾネ・エナメル(有線七宝焼)文字盤の初号機でもございます。

1939年リリースのRef.1415はオークションのワールドレコードにもなった伝説の金字塔的なモデルでございまして、有名なリング型の時針「オブザーバトリー」が印象的なモデルでございます。

1952年リリースのRef.2523は名機Ref.2526と同時期のリリースでございますが、

現代機のも搭載されるジャイロマックステンプを初めて採用したcal.27AM-400HUで

ございまして、同社初の珍しい耐磁仕様ムーブメントでもございます。

ケースサイズもRef.1415の31mm径から、35.5mm径にサイズアップされて、

同時期を代表するグランドコンプリケーションRef.2499ともシンクロ致します。

文字盤は現代機にも踏襲された華美なギョウシェ彫りが施された文字盤で、

これが、約半世紀を経て3代目フィリップ名誉会長が監督されたミレニアム2000年リリースのRef.5110へと繋がります。現代機のベースムーブメントの偏心型ローターcal.240を初めて採用して、リューズガード仕様の当時のカラトラバケースを導入して、直径は37mmにサイズアップされました。アジア人にとっての37mm径はベストサイズではないでしょうか。コレクターの皆様にとってのワールドタイム史上最高モデルの評価もございます。

そして、2006年リリースのRef.5130はフィリップ会長と後の社長就任前のティエリー社長との共同で手掛けたモデルでもございまして、伝説のRef.1415のオブザーバートリー時針を採用して様々な要素の後継機種でございます。

ケース径は39.5mmに大幅に大きくなりましたが、Ref.5110の流麗な丸みあるリューズガード仕様のカラトラバケースは継続採用となり、文字盤のギョウシェ彫りデザインは、

放射状に美しいサンレイギョウシェ彫りとなり、陰影の美しさが際立っております。

現行機種のRef.5230は2016年リリースされて、外装部分は一新されております。

よりシャープな直線的で鋭角なフラットなベゼルとこちらもカラトラバの意匠としても伝統的なケースデザインでございますので、美しい仕様でサイズもRef.5110とRef.5130の

中間の様なサイズ感で素晴らしいバランスでございます。

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