カルティエの機械式腕時計製作の歴史は非常に古く長いです。
機械式腕時計史上最古とも言われる1904年のサントスから始まり、
1917年のタンクが続きますが、カルティエの機械式時計のコンセプトの
基本軸は外装デザインにございます。
タンクが誕生してから約80年間もの期間は多様なタンクモデルの派生デザインが生み出され、現行モデルには無い付加価値がつくモデルが多く存在致します。
そして、1999年に誕生したCPCPがこれまでのカルティエ時計の既成概念を根底から覆すものでございました。今までの大量生産汎用ムーブメントは使用せず、
洗練された外装デザインと両輪でムーブメント製造に注力し、レギュラー製造とは
別ラインの限定製作で、文字盤には“PARIS”を表記する拘りの演出をして、
本格的な“メカニカルウォッチメゾン”としてのカルティエが
本コレクションの誕生で印象付けられました。
超複雑機構や独自のギミックを採用したユニークな機構モデルまで網羅しております。
その象徴がトーチュ(亀の甲羅モチーフ)でございまして、ミニッツリピーター、
モノプッシャークロノグラフトゥールビヨン、永久カレンダー、8デイズロングパワーリザーブと当時で最も複雑とされている機構を搭載したモデルをリリースするところから、
カルティエの本気度が伺えまして、現代機には無い、製作コストを惜しみなく掛けられた
贅沢なラインナップでございました。
エボーシュとしては、ピアジェ、ジャガールクルト、そして巨匠FPジュルヌもその
製作には参画しております。
トーチュ以外には丸形のロトンド、トノー、そしてカルティエの象徴タンクも
過去のデザインをリバイバル製作して豊富なコレクションとなりました。
タンクサントレ、タンクシノワ、タンクアヴィス、タンクバスキュラント、タンクルイと
これまでの歴史上製作されたタンクモデルを揃えたオールスター仕様で、
文字盤やムーブメントの地板には丁寧に手彫りエングレービングが施されて華美な
工芸技術を盛り込まれておりました。
ここまで徹底した機械式コレクションでございましたので、
今尚、非常に評価は高く、大変希少性も高いので収集家の方々の中でも伝説的なコレクションとして垂涎の的となっております。